Solutions Enabler Event Daemonを使用するEMC Symmetrixの監視について

EMCは、リモート通知によってSymmetrixの稼働環境を監視しています。
また、お客様自身においても、ViPR SRM,Unisphere for VMAXやSMC(Symmetrix Management Console)などを
利用することでGUIを利用したSymmetrix環境の容易な監視が可能です。

ここでは、Solutions Enabler Event Daemonを使用したCLIベースのEMC Symmetrixの監視方法について説明します。

Solutions Enabler Event Daemon （Storevntd サービス）はSolutions Enablerがインストールされているサーバ上で実行されるサービスです。
Symmetrix(DMX,VMAX)のステータスをモニターすることができイベントをファイル出力／イベント・ログ出力／SNMP Trap送信することができます。
本サービスの使用方法の簡単な説明を行います。

ステップ１：定義ファイルの編集
　Storevntd サービスを使用するには、daemon_optionファイルを編集します。
　　UNIX:/var/symapi/config/daemon_option
　　Windows:C:\Program Files\EMC\SYMAPI\config\daemon_option

　設定項目
　a)イベントの出力先
　・ファイルへの出力
　　storevntd:log_event_targets = file
　・アプリケーション・イベントログへの出力（Windows）
　　storevntd:log_event_targets = system
　・シスログへの出力（UNIX）
　　storevntd:log_event_targets = system
　　facilityはLOG_USER
　・SNMPへの出力
　　storevntd:log_event_targets = snmp

　※複数の出力先を指定する場合は、ブランクを空けて指定します。
　　storevntd:log_event_targets = snmp system

　b)出力先ファイルの指定（出力先がファイルの場合）
　storevntd:log_event_file_name = ファイル名（デフォルト：events）
　指定したファイル名をプレフィクスとして、ファイル名.log0,ファイル名.log1が作成され循環使用されます。
　出力先フォルダは、以下になります。
　　Unix:     /var/symapi/log
　　Windows:  c:\Program Files\EMC\SYMAPI\log

　c)SNMPトラップの送信先の指定（SNMPの場合）
　storevntd:snmp_trap_client_registration = IP,Port,Filter,ACTIVE
　IP：SNMP送信先
　Port：送信先ポート
　Filter：
　　2：fatal以上を通知
　　4：critical以上を通知
　　5：minor以上を通知
　　6：warning以上を通知
　　8：normal以上を通知
　　10：全て通知
　例）storevntd:snmp_trap_client_registration = 152.62.42.105,162,10,ACTIVE  

　d)監視イベントの指定
  以下のように、監視対象のSymmetrixのS/Nとイベント・カテゴリ（またはイベント・コード）を指定します。
　storevntd:log_symmetrix_events = sid=000190102000,disk,device;
　イベント・カテゴリは複数のイベント・コードの集合体です。イベント・カテゴリには、以下のようなものがあります。
　　- events
　　- array subsystem
　　- checksum
　　- diagnostic
　　- environmental
　　- device pool
　　- service processor
　　- srdf system
　　- srdf link
　　- srdfa session
　　- srdf consistency group
　　- director
　　- device
　　- disk
　　- status
　　- optimizer
　イベント・カテゴリにある"events"というカテゴリには、他の多くのカテゴリが含まれます。
　そのため、全てのイベント・カテゴリを監視する場合には、以下のように指定します。
　storevntd:log_symmetrix_events = \
  sid=000190102000,events,status,optimizer;

　監視不要なイベント・コードがある場合には、ignore指定が可能です。
　例えば、イベント・コード 1114と1115を監視外にしたい場合には、以下のように指定します。
　storevntd:log_symmetrix_events = \
  sid=000190102000,events,status,optimizer;\
　sid=000190102000,1114,1115,ignore;

　セミコロン毎に解読されるため、次のように記載すると、全てのイベント・カテゴリが監視外となってしまいますのでご注意ください。
　storevntd:log_symmetrix_events = \
  sid=000190102000,events,status,optimizer,1114,1115,ignore;

　※EMC Solutions Enabler Version 7.x Installation Guideには、
　　log_symmetrix_eventsのパラメタ説明の中に
　　severity levelでフィルタを行う[,sev=SEV]パラメタが記載されていますが、
　　将来のバージョンでサポート予定であり、現在までのバージョン（SolutionsEnabler7.6.x）では使用できません。

ステップ２：起動方法

　# stordaemon start storevntd

　OS起動時に自動起動させるには、以下のコマンドを実行することにより、
　Windowsではサービスが自動起動になり、UnixではOS起動時のスクリプトが作成されます。
　# stordaemon install storevntd -autostart

機能や使用法の詳細は、EMC Solutions Enabler Version 7.x Installation Guideを参照してください。