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2017年8月29日 23:00

【Ask The Expert】エキスパートに聞こう!Gen6のすべて

新しい機能や変更はソフトウェアの開発で何とかカバーできますが、ドラマチックに機能向上を実現するならハードウェアの変更が不可欠。今年6月にリリースされたIsilon Gen6はよりコンパクトに、そして早く、結果文句なしにパワフルになりました。

(従来製品と比べ11倍のスループット!6倍のIOPS !  )

この次世代IsilonGen6がどう変わって、どうなっているのか、やっとベールを脱ぐ気になったIsilonエキスパートに聞いてみましょう。

2017-08-Isilon.png

エキスパート

imamoto.JPG.jpg

Imamoto Keiji

家族とIsilonを愛してやまない心優しき関西人。

VNXのエキスパートだった過去を持ち、ブロックもファイルもわかるちょいレアおやじ。

以前はコミュニティに時々顔を出してくれていたけど、最近はとんとご無沙汰。

これを機に復活か!? 乞うご期待!

yasui.jpg

Yasui Kenji

ストレージ王(キング)を目指す、さすらいのエンジニア。取り扱ったストレージ製品の種類では誰よりも負けない!(ハズ)

サーバベンダでの経験で培われた、バランスのとれた視点は使う人から絶大なる信用を得ている。

終の棲家がIsilonだとはまだ言わないが、思い入れはゼタバイトクラス。(かなりってこと!)

最近子供が成長してきてパパが遊び相手じゃなくなりつつあるのがさみしいような嬉しいような・・・

好きな言葉は「ボード」と「ブクロ」。
kaneiso.JPG.jpg

kaneiso yoshihiro

知る人ぞ知るサポートのレジェンド。あまり表にで出ることは無かったため

ほんの一握りの修羅場経験者しか彼のことを知らない。

今回その豊富な経験と知識を賭けるのがIsilon。

プロダクトとしての修羅場遭遇率は未知数ながら、ストレージに関する

知識と経験、そしてお客様への愛情は30数年を超える。IsilonGen6ならどうだ?

期間:9月19日から29まで 延長決定!10月6日まで!

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3.1K メッセージ

2017年9月15日 00:00

ついに出ましたナンバーワンスケールアウトNAS Isilon 史上最高の Generation 6!

今年6月にリリースされたや否や人気沸騰のために生産が間に合わないほど!

今回日本語フォーラムでその全貌をIsilonのプロたちがとことん語ります。

ラックスペースが従来型の1/4ってどういうこと

IOPS6倍、スループットは11倍、しかもキャパシティー2倍のGen6って?

IsilonSD Edge,CloudPool,Coreと常に時代の要求に敏感に対応しているIsilon

今度はどんなことをしでかしてくれているのか!早くその仕組みを知りたいですね!

さあ、イベントは19日火曜から!

  Are You Ready ?

1 Rookie

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122 メッセージ

2017年9月18日 16:00

Road to Isilon Gen6

Episode 1



某国某所にあるアイシロン道場では、急増する大容量データを手間を掛けることなく柔軟に対処するための技術を磨いていた。

そんなある日のこと、師範が新技術の虎の巻を読んでいるところを弟子が覗き見てしまったのだ。

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

師範:「ん? なにをニヤニヤしておるのじゃ?」
弟子:「師範、私見ました。これまで見たことがない虎の巻を師匠が熟読しているところを。」

師範:「。。。」

弟子:「あれは第六世代の虎の巻ですよね?」

師範:「。。。」

弟子:「私に第六世代について教えてください! きっとすばらしい技術が詰め込まれているのですよね? 私も師範のようになりたいのです!」

師範:「うーん、仕方がない。教えてやろう。」

弟子:「ありがとうございます!!」

弟子:「それでは早速、一番大きく変わったところはどこですか?」

師範:「いきなりだな(汗)」

師範:「一番大きく変わったのはハードウェアアーキテクチャで、第六世代ではモジューラ型の筐体になったのじゃ。」

弟子:「モジューラ型?」

師範:「4Uサイズの筐体に4ノードが搭載されており、ノードがモジュール化されておる。」

師範:「筐体の前面から各ノードのドライブにアクセスでき、背面からコントローラを抜き差しできる。」

師範:「ドライブはDrive Sledと呼ばれるトレイに複数搭載されており、ドライブの交換作業ではトレイを抜き差しすることになるのだ。」

        Sledの意味は「そり」ですが、便宜上ここでは「トレイ」としています。

ATE1.JPG.jpg

弟子:「今後は、モジュールが進化することでIsilonが進化していくというわけですね?」

師範:「ご名答」

弟子:「第五世代のIsilonはノードあたり2Uか4Uのサイズでしたから、すごく省スペースになりましたね!」

師範:「そうじゃ、スペース的なメリットは大きいぞ。例えば、4ノードで比べると、第五世代では16U必要だったものが、第六世代では4Uで済むのじゃ。」

ATE2.JPG.jpg

弟子:「最小構成は4ノードからな予感がするのですが。。。」

師範:「鋭くなったな!」

師範:「その通りだ。第六世代のIsilonは最小4ノード、つまり最初の筐体はフル搭載でなければならないのじゃ。」

弟子:「なるほど。それでは、増設単位は1ノードずつというのは変わりないですか?」

師範:「お前も成長したものだ。(感慨深くうなずく)」

師範:「第六世代からは、2ノードずつ増設していかなければならないのじゃ。」

ATE3.jpg

弟子:「なるほど。構成を考えるときは、気を付けます。」(メモメモ)

弟子:「ハッ」(何かを思いついた様子)

弟子:「第五世代と第六世代を混在させたクラスタを構成することはできますか?」

師範:「混在できるぞ。」

師範:「これまでのIsilonの考え方や機能はそのままなのじゃ。」

師範:「第六世代はOneFS 8.1以降でなければならないが、これまでの資産を無駄にすることもなければ、データ移行作業が不要な機器入れ替えもこれまで通りできる。」

弟子:「それはすごい! 安心して第六世代に移行していけますね。」

弟子:「第六世代をもっと知りたいのですが、今日は少し疲れたので最後にラインナップを教えてください。」

師範:「合計6モデルあるぞ。」

師範:「All FlashモデルのF800、ハイブリッドモデルのH600/H500/H400、アーカイブモデルのA200/A2000じゃ。」

ATE4.JPG.jpg

ATE5.JPG.jpg

弟子:「ラインナップがさらに充実しましたね!」

師範:「まだまだ気になることは多いだろうが、今日の鍛錬はここまでとしておこう。次はドライブにまつわることを伝授するぞ。」

弟子:「押忍! ありがとうございました!」

つづく

1 Rookie

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122 メッセージ

2017年9月20日 16:00

Road to Isilon Gen6

Episode 2

某国某所に急増する大容量データを手間を掛けることなく柔軟に対処するための技術を磨くアイシロン道場があった。そこにルンルン気分でやってくる一人の弟子の姿があった。

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

師範:「ニヤニヤしとるのぉ。わかっておる、第六世代の続きじゃろ?」

弟子:「はい。今日はドライブにまつわることを教えてくださるのですよね?」

師範:「そうじゃな。ドライブ周りの新しくなった仕組みを伝授してやろう。」

師範:「Drive Sledと呼ばれるトレイにドライブが搭載されると言ったが、各モデルでSledに搭載されるドライブタイプや本数が異なる。」

ATE6.JPG.jpg

師範:「ドライブのタイプや本数が違うから、それに応じて物理的に異なるいくつかのSledがある。」

師範:「2.5インチ用、3.5インチの3ドライブ用、3.5インチの4ドライブ用の3タイプがある。」

ATE7.JPG.jpg

弟子:「確かに、物理的に異なるものを搭載するのでそれぞれ必要ですね。」

弟子:「2.5インチタイプと3.5インチの3ドライブ搭載のSledは見た目がほぼ同じですね。」

弟子:「3.5インチの長いタイプが4ドライブ搭載のA2000用ですか?」

師範:「そうじゃ。」

弟子:「Sledが長いということは、シャーシの奥行も長くなるということですよね?」

師範:「そうじゃな。A2000だけ奥行が違っており990mm(39インチ)ある。」

師範:「搭載するラックは十分の奥行があるタイプでなければダメなのじゃ。」

師範:「とは言え、A2000以外のモデルも889mm(35インチ)あり、一般的なIAサーバよりも奥行があるからどちらにしろラックの仕様には注意が必要じゃ。」

弟子:「わかりました!」(メモメモ)

弟子:「いくつか疑問が湧いてきました!」

師範:「なんでもいいぞ、どんどん来い!」

弟子:「ドライブが故障したら交換しないといけないですが、ドライブ交換の時にいきなりSledを抜いてよいのですか?」

師範:「さすがに、いきなりはダメじゃ。Sledを抜く前に”Request for Service”と呼ばれるボタンを押す必要がある。」

師範:「ボタンを押した後に点灯する”Not Safe to Remove”が消灯したらSledを抜いても大丈夫じゃ。」

ATE8.JPG.jpg

弟子:「やはりいきなり抜くのはダメだったのですね。」

弟子:「”Request for Service”ボタンを押すと、何か前処理をするということですよね?」

師範:「Sled上には健全なドライブも載っておるから、そのドライブに対する書き込み途中の処理を完了させてからI/Oを止めてるのじゃ。」

弟子:「なるほど。健全なドライブまでおかしな状態になっては困りますからね。」

師範:「実は、もう一つ処理をしておるのじゃが、それは後で説明しよう。」

弟子:「わかりました。もう一つあるのですね。」

弟子:「それでは、次の質問をさせてください!」

師範:「よし、いいぞ。」

弟子:「ドライブ交換の時にSledを抜いた後、Sled上のどのドライブを交換すればよいのかわかりにくいんじゃないですか? 間違って抜いたら大変なことになりますし。。。」

師範:「大丈夫じゃ。それもちゃんと考えられておる。」

師範:「Sledにはドライブスロット毎にLEDが搭載されており、故障ドライブのスロットがひと目で特定できるようになっておる。」

ATE9.JPG.jpg

弟子:「でも、Sledを抜いたら電源は供給されないんじゃないですか?」

師範:「Sledには大容量キャパシタが搭載されており、Sledを抜いた後でも10分以上LEDを点灯させることができるのじゃ。」

師範:「一目瞭然だから交換するドライブを間違えることはないというわけじゃ。」

弟子:「おー、なるほど。人為的なミスを防ぐ仕組みがちゃんと備わっているのですね。」

弟子:「それではSledについて、あともう一つ教えてください。」

師範:「疑問が湧くというのはよいことじゃ。」

弟子:「ありがとうございます!」

弟子:「Sledには複数ドライブが搭載されているので、Sledを抜くということは複数ドライブがオフラインになるということですよね?」

弟子:「複数ドライブ障害と同じようになり、データが消えたりしないのでしょうか?」

師範:「素朴な疑問点だが、ここはとても重要な点だ。」

師範:「言うまでもないが、これについても考えられておるから大丈夫じゃ。」

師範:「第六世代からDisk Poolの分け方が変わったのじゃ。」

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弟子:「あー、第五世代まではノード内で6ドライブずつのグループに分かれていて、耐障害性を上げるための仕組みがありましたね。」

師範:「そうじゃ。よく鍛錬をしておったの。関心、関心。」

師範:「第六世代からは、同一Sled上のドライブがそれぞれ異なるDisk Poolに属するような分け方になったのじゃ。」

弟子:「と言うことは、Sledを抜いてもDisk Pool内のドライブが1本オフラインになるだけということですね。」

師範:「そうじゃ。故障も含めてドライブのオフラインは、Disk Pool視点で考えなければ本質は見えてこない。それが見えると、Isilonの保護能力の高さの一端がわかるというものじゃ。」

弟子:「デフォルトで2パリティの保護となっていることを考えると、Sledを抜いてもDisk Pool内ではまだ冗長性がある状態ということですね。」

師範:「その通りじゃ。」

師範:「ドライブ交換の度に冗長性がなくなっては困るからの。」

弟子:「あっ、そう言えば。」(何かを思い付いた様子)

弟子:「第五世代までは、キャッシュ用途やメタデータ格納用として使うためのSSDをデータ用ドライブのスロットを一部使って搭載していましたが、第六世代でも同じようにSledに搭載するのでしょうか?」

師範:「いや、違う。」

師範:「第六世代では、データ用のドライブとは別に専用のスロットが用意されたのじゃ。」

師範:「Sledに搭載するのではなく、コントローラにある専用スロットに最大2ドライブまで搭載できるようになっておる。」

弟子:「それはいいですね。」

弟子:「データ用のドライブスロットが犠牲にならずに済むのはありがたいです!」

師範:「All FlashモデルのF800を除くすべてのモデルで、SSDの搭載が必須となっておるぞ。」

ATE11.JPG.jpg

弟子:「そう言えば、先ほど”Request for Service”ボタンを押すと実行される処理があるとおっしゃっていましたよね?」

師範:「おぉ、そうじゃった。」

師範:「ブートドライブに関することじゃ。」

弟子:「第五世代ではブートフラッシュが2台搭載されていてミラーで保護されていましたよね? その仕組みが変わったということですか?」

師範:「そうじゃ。第六世代ではブートフラッシュがなくなり、データドライブにOS領域を持つようになったのじゃ。」

師範:「各ドライブには8GBのOSパーティション用の予約領域が確保されておる。」

師範:「OSパーティションは3面ミラーとなっており、言い方を変えると、ノード内の3ドライブにOSが格納されておるのじゃ。」

師範:「Sledを抜くことを考慮し、同一Sled内で複数のOSパーティションがあってはならないから、5つあるSledの3つに分散配置されておる。」

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弟子:「”Request for Service”ボタンを押すと実行される処理かぁ。」

弟子:「ん? わかったような気がする。。。いや、わかりました!」

弟子:「抜くSled上のドライブにOSパーティションがあった時には、”Request for Service”ボタンが押されたら、別Sled上にOSパーティションが退避されるのではないですか?」

師範:「よくわかったのぉ。その通りじゃ。」

師範:「OSパーティションは小さいから、ドライブ故障などの時も含めて1分程度で退避・再構築できるようになっておる。」

弟子:「これまでよりミラー数も増え、退避・再構築にも時間がかからないので、障害などでOSパーティションがなくなってしまうようなことは、まずなさそうですね!」

師範:「うむ、さらに信頼性が上がったと言えるだろう。」

師範:「ドライブに関する鍛錬はこのあたりにしておこう。」

師範:「次はコントローラに関することを伝授するとしよう。」

弟子:「今日も鍛錬ありがとうございました!」

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

つづく

5 Practitioner

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274.2K メッセージ

2017年9月21日 10:00

Isilon Gen 6のハードウェアの改善は結構すごいと思う。何てったって、ハイエンドのSSD-onlyのシステムが一番容量が大きいんだからね...

...でも、裏の話をすると、CPUコアを10も20も持ってるコントローラーをフルに使い倒すのは結構大変だったのだ。これまでCPUの数が両手で数えられるような時には普通にできていたことが、CPUコアが多くなったことでそのままではスケールしなくなったんだな。

そこでIsilonのエンジニアリング部門は、全ての部署に号令を出した。曰く、「これまで機能中心で考えてきたのを、性能中心でかつ安定動作中心で考え直せ」、と。

で、出来たよ。Gen 6 + OneFS 8.1。

でも...

もっと正確に言うと、OneFS 8.1+次のメンテナンスリリースが本命なんだ。
なんでかっていうと、8.1はGen 6が動く最初のリリース。

対して、8.1+1は、「過去の不具合全て取り込み済みのリリース」

何が取り込み済みかって?

今ここに書こうとすると数千行になるから勘弁して。

ということで、 Gen 6 + 8.1 + 1の採用。宜しくお願い致しします (^^)/

1 Rookie

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122 メッセージ

2017年9月24日 16:00

Road to Isilon Gen6

Episode 3


某国某所に急増する大容量データを手間を掛けることなく柔軟に対処するための技術を磨くアイシロン道場があった。そこにやる気に満ちた目でやってくる一人の弟子の姿があった。

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

師範:「今日はまたいつになく気合いが入っとるな。」

弟子:「もちろんですよ。新しい情報を聞けるなんて楽しくて仕方がありません!」

弟子:「今日もよろしくお願いします!」

師範:「よし、今日はコントローラに関することを伝授しよう。」

弟子:「ちょっとお待ちください!」

弟子:「実は、ずっとモヤモヤしていたことがあり、お聞きしたいことがあるのですが、質問してもよろしいでしょうか?」

師範:「おっ、なんじゃ?」

弟子:「たしか、増設は2ノード単位とおっしゃっていましたよね?」

弟子:「どうして2ノード単位なのでしょうか?」

師範:「第五世代からの大きな変更点だが、まだ詳しい説明はしていなかったな。」

師範:「第六世代からノードペアと呼ばれる新しい仕組みが加わったのじゃ。」

弟子:「ノードペア?」

師範:「シャーシ内の隣り合うノードをノードペアと呼ぶが、2つの点で密接な関係にある。」

ATE13.JPG.jpg

弟子:「隣り合うということは、シャーシ内のNode1とNode2がペアでNode3とNode4がもう一つのペアということですね?」

師範:「そうじゃ」

弟子:「2つの点で密接な関係とは?」

師範:「ひとつは電源の冗長化、もうひとつはジャーナルの冗長化じゃ。」

弟子:「電源とジャーナルの冗長化?」

師範:「順を追って説明していくぞ。まずは電源の冗長化から。」

師範:「コントローラに搭載されるパワーサプライは1つなのじゃ。」

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弟子:「ひとつじゃマズイじゃないですか!」

師範:「だからこそのノードペアじゃ。」

師範:「Node1のパワーサプライはNode2にも給電でき、その逆も然りというノード間でパワーサプライを共有する仕組みになっておる。」

師範:「つまり、Node1とNode3をA系統の電源に接続し、Node2とNode4をB系統の電源に接続することで、電源の冗長化が図れる。」

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弟子:「なるほど。電源冗長化のためにノードペアの仕組みが必要なのはわかりました!」

弟子:「もうひとつのジャーナルの冗長化について教えて頂きたいのですが、たしか第五世代はNVRAMにジャーナルが保持されていましたよね?」

弟子:「停電などで電源が切れた時は保護できましたが、NVRAMが壊れてしまった場合はジャーナルが消失してしまいますね。」

弟子:「言われてみるとジャーナルの冗長化まではされていませんでしたね。」

師範:「とは言え、Isilonはノード間でデータを冗長化しておるから、『ジャーナル消失=データ消失』ということにはならない。」

師範:「しかし、ジャーナルの消失は、そのノード内のデータで不整合が起きてしまっておるから復旧処理が必要となる。」

師範:「万が一、その復旧処理の間に他のノードで障害が発生してしまうと、保護レベルなどにも依存するが最悪の場合は一部のデータが消失してしまう可能性があるのじゃ。」

師範:「そこで第六世代では、ノード間でジャーナルをミラーで持ち合うことで、ジャーナルの消失を防いでおる。」

師範:「ジャーナルの消失を防ぐことで、データ消失という二次被害を起こさせないようにしておるのじゃ。」

弟子:「信頼性が一段と上がったということですね!」

ATE16.JPG.jpg

弟子:「と言うことは、第六世代ではNVRAMはなくなったのですか?」

師範:「そうじゃ。ジャーナルはメモリ上に保持するようになった。」

弟子:「ノード間でミラーしているとは言え、メモリ上だと全電源がダウンした場合にはジャーナルが消えてしまうのではないですか?」

師範:「いや、そうならない仕組みが備わっておるから大丈夫じゃ。」

師範:「コントローラには、バッテリバックアップユニット(BBU)とM.2フラッシュが搭載されており、電源喪失時にはBBUで電源供給しながらM.2フラッシュにジャーナルを退避させることができるようになっておる。」

師範:「いわゆる、Vaultの仕組みを持っておる。」

弟子:「次の起動時にM.2フラッシュからジャーナルを読み込んで、メモリに再展開するわけですね。」

師範:「その通りじゃ。」

師範:「ノード障害時には、ノード復旧後の起動時にペアノードにミラーされていたジャーナルを読み込んで、自ノードのメモリに再展開するのじゃ。」

弟子:「ジャーナルをノード間でミラーするために、ノードペアという仕組みが生まれたわけですね。」

師範:「さらに、第五世代よりもジャーナル保持領域が大きくなっておる点と新しくコードが書き直されたことで性能向上にも寄与しておるぞ。」

弟子:「2ノード単位の増設は少しマイナスなイメージを持っていましたが、信頼性と性能の向上というメリットは大きいですね!」

師範:「信頼性の向上では、さらにもうひとつの変更があるのじゃ。」

師範:「Isilonは高い拡張性が特長のスケールアウトアーキテクチャだが、ノード数が増えることで信頼性が低下しては困るじゃろ?」

師範:「そうならない仕組みがこれまでも備わっていたが、それはどのような内容だったかわかるか?」

弟子:「もちろんです!」

弟子:「同一ノードで構成した際に40ノードまでは1プールですが、41ノードになると内部的に20ノードと21ノードの2つのプールに分割されることで障害範囲(Fault Domain)を限定する機能がありました。」

弟子:「これが変わったのですか?」

師範:「いいぞ、よく修行を積んどるな。」

師範:「第六世代では、ノードの内部的なグループ分けをNeighborhoodと呼ぶようになったが、20ノードになった時点で10ノードずつに分かれるように変わったのじゃ。」

弟子:「分かれる単位が小さくなったのですね。」

師範:「さらに、分かれ方はノードペアを考慮し、ノードペアが別のNeighborhoodに分かれるようになっておる。」

ATE17.JPG.jpg

弟子:「30ノードではどうなるのですか?」

師範:「30ノードでは15ノードずつの2つのNeighborhoodのままじゃ。」

ATE18.JPG.jpg

弟子:「では、40ノードでは10ノードずつの4つのNeighborhoodに分かれるのではないですか?」

師範:「その通りじゃ。」

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弟子:「あっ」(何かに気が付いた様子)

弟子:「40ノードで4つに分かれるということは、シャーシ内の各ノードが別のNeighborhoodに分かれるということですね!」

師範:「そうじゃ、シャーシを考慮した分かれ方になる。」

弟子:「シャーシ全体がダウンすることはないのでしょうけど、万が一シャーシ全体がダウンしたとしてもNeighborhoodの中の1ノードがダウンしただけというわけですね。」

弟子:「言い換えると、4ノードダウンだけど、障害範囲を限定することでNeighborhood視点では1ノードダウンにしかならないわけですね。」

師範:「そういうことじゃな。」

師範:「ノードペアとシャーシを考慮した分け方、障害範囲(Fault Domain)が小さくなったことにより、第六世代はこれまでよりも信頼性が向上しておるのじゃ。」

弟子:「これまででも十分高い信頼性だと思っていましたが、より一層高い次元に至った感じがしますね。」

師範:「いたるところで爆発的に増え続ける大容量データを安心して預けるには、このような進化は必要不可欠ということだ。」

師範:「今日はこのあたりまでにしておこう。」

師範:「コントローラには、SSD搭載専用スロット、外部・内部接続用のネットワークポートが搭載されておるが、ネットワークにはまだ触れておらんな。」

師範:「次はネットワークについて伝授しよう。」

弟子:「今日も鍛錬ありがとうございました!」

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

つづく

1 Rookie

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122 メッセージ

2017年9月26日 16:00

Road to Isilon Gen6

Episode 4


某国某所に急増する大容量データを手間を掛けることなく柔軟に対処するための技術を磨くアイシロン道場があった。そこに自信にみなぎった顔つきでやってくる一人の弟子の姿があった。

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

師範:「鍛錬を積んで自信が付いてきているようじゃな。」

弟子:「今日のネットワークについての鍛錬で第六世代はもうばっちりです!」

師範:「では、その前に鍛錬の成果を試してみよう。」

弟子:「えっ? あっ、は、は、はいぃぃ。。。」(汗)

師範:「H500/400, A200では8TBドライブが選択できるが、第五世代のNL410でも8TBドライブを選択することができたことはもう知っておるじゃろう。」

師範:「様々な進化で第六世代の信頼性が上がったことは既に伝授したが、8TBドライブを搭載した第六世代と第五世代のモデルでは何が変わったと思う?」

師範:「その結果、どのようなメリットが得られたかわかるか?」

弟子:「うーん、うーん、8TB? うーん。。。」(時間だけが経つ)

弟子:「思い付きません。。。」

師範:「答えは、推奨される保護レベルが変わったのじゃ。」

師範:「8TBドライブ搭載のNL410は、最小の3ノードでも推奨は+3d:1n1d以上だった。」

弟子:「そうでした。」

師範:「一方、8TBドライブ搭載のH500/400, A200は、12ノードまでは+2d:1n以上でよくなったのじゃ。」

師範:「つまり、同じ大容量ドライブ搭載のモデルでも、第六世代はパリティがひとつ少ない保護レベルで信頼性を確保できるようになったのじゃ。」

弟子:「と言うことは、その分第六世代の方が容量効率がよくなったということですね。」

師範:「そういうことじゃ。」

弟子:「はー、まだまだでした。。。」

師範:「いや、落ち込むことはない。日々鍛錬あるのみじゃ。」

師範:「気を取り直して、ネットワークについて伝授するぞ。」

弟子:「はい、よろしくお願いします!」

師範:「各ノードには、3種類のネットワークポートが搭載されておる。」

師範:「フロントエンド(外部接続)用に2ポート、バックエンド(内部接続)用に2ポート、管理用に1ポートじゃ。」

ATE20.JPG.jpg

師範:「フロントエンドは、F800, H600/500では40GbEか10GbEを選択でき、H400, A200/2000は10GbEになる。」

師範:「第五世代では1GbEが2ポート標準で搭載されておったが、第六世代では1GbEでの接続ができなくなった点は注意が必要じゃ。」

師範:「場合によっては、ネットワークスイッチの導入が必要になるかもしれんぞ。」

弟子:「わかりました!」

ATE21.JPG.jpg

師範:「バックエンドは、F800, H600/500は40GbEH400, A200/2000は10GbEじゃ。」

弟子:「ん? バックエンドがイーサーネットですか?」

師範:「そうじゃ。」

弟子:「ちょっと待ってください。確か、第五世代と第六世代を混在させたクラスタ構成が組めるとおっしゃっていましたよね?」

師範:「そうじゃ。ま、焦るな。」

師範:「第五世代と混在させる場合は、InfiniBandで接続できるから大丈夫じゃ。」

弟子:「ほっ」

師範:「第六世代だけでクラスタを組む場合は、バックエンドはイーサーネットになる。」

師範:「InfiniBandからイーサーネットに切り替えた理由は、より汎用的な技術を使うことで継続的に安定した製品供給ができるようにするためじゃ。」

師範:「ある意味リスク回避じゃな。」

弟子:「でも『InfiniBand = 高速』というイメージがありますが、イーサーネットにして性能面で大丈夫なのでしょうか?」

師範:「OneFS 8.1では、TCPスタックのコードを書き換えるなどしてF800を使ったテストでもInfiniBand以上のスループットを実現しておる。」

師範:「性能面でも心配することはないぞ。」

弟子:「わかりました。」

弟子:「今後のバックエンド接続はイーサーネットスイッチ経由になるということですね。」

弟子:「と言うことは、InfiniBandの時とは違ってカスケード接続したり、フロントネットワーク用のスイッチと共用したり、いろいろできそうですね!」

師範:「いや、そうはいかん。」

師範:「これまでのInfiniBand接続の制約と同じなのじゃ。」

師範:「クラスタにバックエンドスイッチは1セット、バックエンド専用で独立していなければならない。」

師範:「そのため、バックエンドスイッチはIsilonの製品の一部として提供されるようになっておる。」

弟子:「今までのInfiniBandスイッチと同じ扱いということですね。」

弟子:「第六世代だけの場合は、バックエンドはイーサーネット接続とのことですが、モデルによっては40GbEと10GbEで種類が違いますよね?」

弟子:「この2種類のモデルの混在はできないのですか?」

師範:「大丈夫じゃ。」

師範:「たとえばH600とA200との混在の場合は、バックエンドに40GbEスイッチを選択すればよい。」

師範:「ブレイクアウトケーブルと言うものがあり、40GbEポートを4つの10GbEポートとして分けることができるようになっておる。」

師範:「そのケーブルを介して、A200を40GbEのバックエンドスイッチに接続できるのじゃ。」

弟子:「なるほど。そのようなケーブルがあるのですね。」

弟子:「そう言えば、管理用ポートが搭載されていると聞いて驚きました。」

弟子:「一体何ができるのですか?」

師範:「これまでのフロントネットワークからアクセスして管理しておったことと全く同じことができるのじゃ。」

弟子:「つまり、Web UIやSSH、REST APIによる管理ですか?」

師範:「その通りじゃ。」

弟子:「もしかして、フロントネットワークからではもう管理できなくなったのですか?」

師範:「いや違う。フロントネットワークからもこれまで同様の管理ができる。」

師範:「管理用ポートを利用して管理しても構わんし、これまで通りフロントネットワークから管理しても構わん。どちらからでも管理ができる。」

師範:「管理用ポートは、1000Base-Tだから管理ネットワークの都合に合わせて選択すればよいじゃろう。」

師範:「この管理用ポートは、将来的にはIPMIに対応する計画のようじゃ。」

師範:「管理用ポートを使って電源のオン・オフができるようになるかもしれん。」

弟子:「へー、リモート管理の幅が広がりますね。」

師範:「最後に、OneFS 8.1についても触れておこう。」

師範:「OneFS 8.1は表立った新機能は、実はほとんどない。」

師範:「しかし、内部的には根幹となる部分のコードをかなり書き換えておるのじゃ。」

師範:「信頼性をより高めた仕組みに変え、性能を高めるためにI/O処理の至るところに手が加えられた。」

師範:「I/O処理は、ネットワーク処理、ファイルシステム処理、ノード間通信、ジャーナル処理、ディスクI/Oといった様々な階層が関係するが、これらすべてにおいて最適化が施されたり、新たな仕組みが加えられたりしておる。」

弟子:「相当多岐に渡っていますね。」

師範:「その結果、F800の4ノードで25万ops/sのファイル操作、15GB/sのReadスループットというファイル共有のワークロードとしては極めて高い処理性能を実現しておるのじゃ。」

弟子:「ハードウェアの能力が上がっても、ソフトウェアがそれを有効に活用できないと意味がありませんからね。」

弟子:「OneFSの体幹が強化されたということですね。」

師範:「そこまでの性能が必要になるケースは多くはないが、どのような用途であっても体幹の強さは安心感につながるだろう。」

師範:「さて、第六世代の鍛錬はひとまずこれにて終わりとしよう。」

弟子:「あっという間でしたが、多くのことを伝授頂きましてありがとうございました!」

師範:「第六世代もまだ始まったばかりじゃ。」

師範:「これからが腕の見せ所だぞ。」

弟子:「押忍!」

師範:「押忍」

大容量データとの戦いはこれからもずっと続く、さらに熾烈さを増していくだろう。手をこまねく多くの人々を救うために、アイシロン道場では今日も気合の入った鍛錬が続くのであった。

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3.1K メッセージ

2017年10月2日 00:00

みなさん、

如何でしたか?がらりと変わった、しかしやっぱりIsilon!というべきGen6について相当の知識を師範から伝授

してもらいましたね!

ここからは貴方がエキスパートを質問攻めにする番です!

( Isilonエキスパートは貴方からの質問に答えるためにイベント期間を一週間延長しました)

Isilon Gen6の奥義についてもっともっと知りたくないですか?またここがわからない、という点があったら

それはきっと誰もが思っているはずです。さあ、質問してエキスパートをてんてこ舞いさせてみましょう!

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6.5K メッセージ

2017年10月3日 18:00

エキスパートのみなさん、

Gen6、A200の消費電力について教えてください。

240Vの最大電力消費量(シャーシあたり)1460Wのようですが、

1シャーシで4ノード、すなわち1460/4=365Wが1ノードあたりの

最大消費電力と考えていいのでしょうか。

よろしくお願いします。

1 Rookie

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122 メッセージ

2017年10月3日 19:00

ayasさん

ノード当たりの最大消費電力の考え方は合っています。

御認識の通り、A200はノード当たり365Wということになります。

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