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 | モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ
       ~MXシリーズの中身①~
   
       
   
       
   
    





みなさま、こんにちは。
第一話第二話でPowerEdge MXシリーズの製品コンセプトや特徴、MXシリーズはBladeではなくモジュラー製品であることについてお話させていただきました。今回は具体的に製品の中身について触れていきたいと思います。現在(2019年6月時点)でMXシリーズとして製品化されている機種・パーツについて、紹介していきたいと思います。
まずはPowerEdge MXシリーズの全体像です。




製品を正面から見た時の画面イメージです。サーバーラックにマウントすると7U消費します。前面にはコンピュート(サーバー)やストレージスレッド、ファン、電源モジュールが見えています。細かい部分にはなりますが、左端のDell EMCのロゴの下にはLCDディスプレイも搭載されています。
以下は背面です。




背面にはエンクロージャー(シャーシ)を管理するための管理モジュール、I/Oモジュール、ファンなどが搭載されています。
それでは、モジュラー型の製品として構成される構成要素(コンポーネント)について一つずつ見ていきながら、どんな役割かを確認していきましょう。



●エンクロージャー

上の図で見ていただいた通り、各コンポーネントを収容するためのシャーシとなります。第二話の記事でもご紹介した通り、シャーシにはミッドプレーンがありませんが、外側からは全く分からないですね。以下に搭載できるコンポーネントについて簡単に記載します。
・コンピュートスレッド(最大8台)
・ストレージスレッド(最大7台。エンクロージャーには最低1台のコンピュートスレッドが搭載されている必要があるため、7台が最大となります。)
・電源ユニット(最大6台。ホットスワップ対応)
・エンクロージャーの管理モジュール(最大2台。ホットスワップ対応)
・I/Oモジュール(最大6基。Fabric A、B、Cの合計)
・前面ファン(4台。ホットスワップ対応)
・背面ファン(5台。ホットスワップ対応)

文字で見てもピンと来ないと思うので、エンクロージャーに搭載する各コンポーネントについて順次見ていきましょう。



●コンピュートスレッド

コンピュートスレッドと言っていますが、要するにサーバーです。シングル幅(エンクロージャーのスロットを1つ消費するサイズ)のMX740c、ダブル幅(エンクロージャーのスロットを2つ消費するサイズ)のMX840cの2機種が存在します。CPU2つまでであればMX740cをCPU4つまでであればMX840cを選択ください。コンピュートスレッドで特徴的なのは、前回の記事でも触れましたが、モジュラー型のサーバーでコンパクトな作りながら、シングル幅のMX740cは内蔵ディスクを6本搭載することができ、ブートデバイス用のM.2 SSDも搭載でき、意外にもストレージ容量が確保できる作りになっている点が挙げられると思います。一般にBlade型と言われる製品では、1スロット分を消費するサーバーだと、ディスクは2~4本程度搭載が可能で、ブートデバイスはM.2 SSDよりも書き込み耐性も低いSDカードやUSBメモリが選択可能なケースが多いかと思いますので、この辺りはPowerEdge MXシリーズのコンピュートスレッドにハードウェアとしてのアドバンテージがあるといえるのではないでしょうか。




この特徴を生かした使い方として、モジュラー型のサーバー製品でありながら、vSANを組むといったことができます(MX740cがvSAN ReadyNodeに認定されています)。BOSSの名で知られるM.2 SSDをブートデバイスとし、正面に見えるディスクスロットにSSDやHDDを搭載しvSANのキャッシュおよびキャパシティディスクとして利用するといった使い方が実現できます。



●ストレージスレッド

ストレージスレッドはSSDやHDDなど名前の通りストレージデバイスを収容するための筐体になります。コンピュートスレッドの内蔵ディスクで容量が足りない場合に、このストレージスレッドを活用することができます。1スレッドあたり最大16台のストレージデバイスを搭載することができます。




ストレージスレッドってどんな風に使うのだろう?と思われた方がいらっしゃるかと思いますが、これについては別途ストレージをテーマとした回に説明していきたいと思いますが、簡単に説明すると、指定したコンピュートスレッドに対してこのストレージスレッドを割り当てて、コンピュートスレッドが利用できるディスク容量を増やしたり(エンクロージャー割り当て)、指定したコンピュートスレッドにストレージスレッドの一部ディスク指定して割り当ててコンピュートスレッドが利用できるディスク容量を増やす(ディスク割り当て)といった使い方になります。旧来のBlade型の製品ですと、大容量のストレージは外部ストレージを利用することが前提として考えているものが多く、筐体内に大量のディスクを搭載することができない製品も多いですが、PowerEdge MXシリーズはディスクの拡張性も確保できる作りになっています。わずか1スロット分のスペースで16本分のディスク容量を拡張できるというのは、省スペースが実現できるモジュラー型サーバーとしても優秀といえるのではないでしょうか。



●電源ユニット

電源ユニットはエンクロージャーの正面下部(赤枠で示した箇所)に搭載されます。
3000Wの電源ユニットを最大6台搭載することが可能です。電源関連についても別の場でご説明したいと思いますので、今回は紹介のみにとどめたいと思います。





●管理モジュール

エンクロージャー背面(赤枠の箇所)に管理モジュールが搭載されます。




管理モジュールはエンクロージャーに搭載した各コンポーネントを管理するために利用されます。管理モジュール上ではOpenManage Enterprise Modular(OME-M)が動作しており、このOME-Mが管理画面と管理機能を提供しています。PowerEdge MXシリーズのセットアップはまず初めにこの管理モジュールに対してIPアドレスを付与して、OME-MにWebアクセスするところから始まります。基本的な操作はOME-Mを操作して実施することになりますので、管理モジュールは重要なコンポーネントと言えます。OME-Mの画面イメージは以下の通りです。




IPMIであるiDRAC9や統合的に製品を管理・監視できるOpenManage Enterpriseと画面の雰囲気がちょっと似てるんじゃないか?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実際に選択できる項目も類似のものが多く、iDRACやOMEを使われていた方にはとっつきやすいかもしれません。
さて、管理モジュールについてもう少し見てみましょう。管理モジュールは以下のような形状をしています。ネットワークインターフェースが2つありますが、エンクロージャーが1台だけの場合は左側のポートを利用します。こちらをスイッチに接続して利用してください。右側のポートはエンクロージャーが複数台存在する場合(マルチシャーシ構成の場合)に利用しますが、エンクロージャーが複数台の場合は接続ルールがあるので、そのルールに従って接続することとなります。接続に関しては資料が公開されていますので、こちらをご参照ください。




上記でお伝えしたリンク先の資料にも記載がありますが、管理モジュールが通信するネットワークについては同一VLANに所属して、2つの管理モジュールが互いに通信可能なようにネットワークを構成してください。
なお、シャーシ管理モジュールはシングル構成でも利用できないことはないですが、エンクロージャーに搭載したコンポーネントを管理する上では不可欠なコンポーネントとなりますので、冗長構成で利用することを強く推奨します。

今回もまた長くなってしまいそうですので、今回はここでいったん区切りたいと思います。次回も引き続きハードウェアについて解説していきますが、I/Oモジュールやファンに関してお話させていただこうと思います。Blade型の製品と同様にモジュラー型の製品についても、I/Oモジュールに関する理解が重要なポイントとなりますので、I/Oモジュールについての理解を深めていただければと思います。

パートナーセールスエンジニア 川奈部 真



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