NutanixからVxrailへの移行

既存のvSphere環境から、新規のVxRail環境への移行についてはいくつか方法があると思います。

それぞれのメリットとデメリットを考えてみました。

・Internal VC間での移行 （PowerCLI）

追加のHW/SW費用は不要

Enterprise Plusライセンス必要

Offlineなしで移行が可能

Version合わせ不要

PowerCLIで実施する必要がある

公式手順はない

参考手順は以下

https://communities.vmware.com/people/nkaneda/blog/2019/09/24/vxrail-%E6%97%A2%E5%AD%98%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%81%8B%E3%82%89vsan-%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%81%B8%E3%81%AEmigration-%E3%81%9D%E3%81%AE-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

・Internal VC間での移行 （VMware Fling）

追加のHW/SW費用は不要

Enterprise Plusライセンス必要

Offlineなしで移行が可能

Version合わせ不要

PowerCLI不要

比較的簡単に実施可能

公式ツールではない

公式手順はない

参考手順は以下

https://communities.vmware.com/people/nkaneda/blog/2020/03/17/vcross-vcenter-vmotion-without-shared-sso-part-5

・外部ストレージを利用した移行

外部ストレージが必要

Enterprise Plusライセンス不要

Version合わせ不要

Offlineが発生する

vSphereのドキュメントで手順がカバーされている

・外部VCを利用した移行

外部VCのライセンスが必要

Enterprise Plusライセンス必要

Version合わせ必要（ELMの制限）

Offlineは発生しない

vSphereのドキュメントで手順がカバーされている

移行後も外部VCを使い続けなければいけない

・Internal VCに両Clusterを登録する方法

非サポート（VxRailの場合はライセンス違反となる可能性あり）

追加のHW/SW費用は不要

Enterprise Plusライセンス必要

Offlineは発生しない

vSphereのドキュメントで手順がカバーされている

※実施を検討したい場合はRPQでDell EMCに実施可否について判断を仰ぐ必要があります。

・RP4VMを利用した移行

追加のHW/SW費用は不要（VxRailに付属している）

Enterprise Plusライセンス不要

Offlineが発生する

RP4VM側の手順や要件を確認する必要がある。

難易度は高め

・Dell EMC有償サービスを購入

有償サービス費用が掛かる

手順等は現時点では不明

Offline 可否も不明

私が聞いている限りよく聞くのは外部ストレージを利用したOffline Migrationか、外部VCを利用したELMでのCross vCenter vMotionです。

Offlineが許されない場合は、Cross vCenter vMotion となるので、EnterprisePlusライセンスが必要になります。

評価版ライセンスでCross vCenter vMotionして、そのあとStandardライセンスを適用する、といった節約が可能かどうかは、残念ながら私にはわかりません。Dell EMCの営業担当か、VMwareに問い合わせる必要があるでしょう。

また、私自身に経験がないので候補に挙げませんでしたが、vCenter Converterを利用した、という話も聞きます。追加のライセンスが許容されるのであればHCXなども候補に挙がりますね。

Online必須で安全簡単となると、やはり外部VC一択になるかなぁと思います。

現行のNutanix環境の保守契約やライセンスは不明ですが、Nutanix 環境のvCenterにVxRailを追加する形で初期構築すればELMを利用してvMotion可能です。ただしNutanix環境のvSphereとVxRailのvSphereのVersionを合わせる必要があります。

現行のVxRailであれば、一部の機能を犠牲にすれば、外部VCをVxRail上で稼働させることも可能です。詳細はVxRailのvCenter Planning Guideから確認できます。

https://www.dellemc.com/resources/en-us/asset/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/vxrail-vcenter-server-planning-guide.pdf

Starting with VxRail 4.5.200, the customer-supplied vCenter Server can be hosted on the VxRail
cluster it is managing, except for 2-node clusters. You must shut down the vCenter Server in order to
use the shutdown cluster feature.

移行完了後も外部VCとして利用し続けなくてはならないため、保守窓口が一元化されません。また、VxRailの大きな魅力であるUpgrade機能にVCが含まれなくなり、VCのUpgradeはお客様作業となります。

細かい部分含め kaneda さんが記載いただいた内容が一通り網羅されていると思います。

オンラインで Cross vCenter vMotion without same SSO する場合や、
既存 vCenter を 6.7 などにバージョンアップして、vCenter 配下に新規に VxRail クラスタを横並びに作り、
クラスタ間で vMotion する場合の注意事項など、以下のドキュメント、KB にまとまっております。

vCenter Server インスタンス間の vMotion 時のネットワーク互換性チェック

https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.7/com.vmware.vsphere.vcenterhost.doc/GUID-897E10D6-A413-4699-B3C6-498AA80CB9ED.html

StorageHub : Migrating to vSAN

https://storagehub.vmware.com/t/migrating-to-vsan/ 

Cross vCenter Migration and Clone requirements in VMware vSphere 6.0 and later (2106952)

https://kb.vmware.com/s/article/2106952

Cross vDS vMotion of a VM between clusters fails during the compatibility check (52248)

https://kb.vmware.com/s/article/52248

Product offerings for vSphere 6.x (2109507)

https://kb.vmware.com/s/article/2109507

上記ドキュメントに記載のある中でよく嵌るポイントですが、
Cross vCenter vMotion でオンライン移行する場合、

• 双方の vSphere Edition は Enterprise Plus 相当である事
• vDS to vDS 間の移行時には vDS のバージョンを揃える事 
• クラスタの EVC レベルも揃える事
• 少なくとも既存の vSphere バージョンは 6.0u3 以上である事

この辺りを最低限揃える必要があります。

これがクリアできていれば Nutanix であっても、3Tier 構成の外部ストレージであっても移行のハードルはかなり下がります。

ただ、上記の中で VxRail ではデプロイ時に vDS のバージョンや EVC レベルが決まっているため、既存のクラスタの設定によっては Cross vCenter vMotion が困難な場合があります。
逆に、同じ vCenter 環境下に新規クラスタを作って、Cross vSwitch vMotion しようとしたら、vDS のバージョンが異なっていたので UI からだと移行が出来ず、結局 PowerCLI を使う場合もあります。

一時的な停止を許容できる場合は、kaneda さんが記載されたような様々な手法が利用できます。

最近では、vSphere Essential や Std 以上で標準で利用できる vSphere Replication も Ver 8.1 などではマルチバージョンをサポートしているので、
既存から新規クラスタに vSphere Replication でコピー・切り替え移行する事例も多数あります。
※ ただし、この場合も既存クラスタのバージョンが vSphere 6.0u3 以上である事が条件です。

https://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php#interop&509=2929,3333,2962,2371&2=

移行は重要な作業となりますので、可能であれば実機環境を利用した事前検証で
一番お客様に最適な条件を調査する事をお勧めします。